天然酵母の博石館ビール「自然麦酒」

1、本来のビールとビールもどき
 ビールには8000年の歴史があり、本来、大麦の麦芽、ホップ、水、酵母だけで造られていました。
 ドイツでは、1516年にバイエルン地方の君主だったウィルヘルム四世の公布した「ビール純粋令」が今でも守られており、大麦の麦芽、ホップ、水、酵母だけで造られた、いわゆる麦芽100%のものしかビールとは言えません。これ以外の副原料を使ったものは、ビールとは言えないのです。
 ところが、ドイツ以外日本などでは、副原料として穀類やデンプンや糖液などの使用が認められています。原材料表示にコーンスターチと書いてあるビールがありますが、トウモロコシのデンプンのことです。これではビールというよりビールもどきです。
 また、最近ビールのような発泡酒が良く売れています。発泡酒とは、水とホップ以外の原材料の麦芽使用率が三分の二未満のものです。3分の2以上あればビールになります。麦芽使用率が低いほど、酒税が安いため、発泡酒の価格が安いのです。
2、探し続けた天然酵母ビール
 近年、日本でも消費者の本物志向のニーズに応えて、副原料を一切使わない麦芽100%のビールが増えています。
 酒税法の改正で最近増えた地ビールは、大麦やホップや水にこだわりオリジナルのビールをアピールしています。しかし、肝心なビール酵母菌は、大手メーカーと同じような純粋培養されたビール酵母菌を使っています。
 「ビール純粋令」のあるドイツでも純粋培養されたビール酵母菌の使用を認めています。空気中に生息している天然ビール酵母菌で造られた自然発酵のビールは、世界でもベルギーなどに数種類あるだけです。
 そこで、純粋培養されたビール酵母菌を一切使わない、自然発酵の地ビールを探し始めました。
 「天然酵母ビール」と宣伝している地ビールがいくつかありました。しかし、それらの酵母は樹木や花などの天然酵母ですが、純粋培養されたものでした。これでは、大手メーカーのビールと変わりません。
 「天然酵母」の定義が曖昧なため、新たに自然界から天然酵母を採取して使っていれば、たとえ純粋培養しても「天然酵母」と言っているようです。
 パンでも「海洋天然酵母を使用」と宣伝している天然酵母パンがあります。しかし、酵母が海水の天然酵母でも、純粋培養している酵母を使用しているパンがほとんどです。
3、自然発酵ビールの試作から発売へ
 昨年、平成13年5月になって、岐阜県恵那市の博石館ブルワリーが自然発酵の天然酵母ビールの開発に取り組んでいる、という情報がありました。
 早速、博石館ブルワリーに見学に行きました。博石館は石材の加工会社が母体となり、1985年石の博物館として開館しました。結婚式場やレストランやコンサート会場などがある施設で、97年から地ビールの醸造を始めていました。
 当初は一般的な純粋培養のビール酵母を使っていましたが、担当の丹羽さんが以前から、自然発酵のビールをぜひ造ってみたいと長年研究開発をしていました。
 岩本社長さんと丹羽さんに市販のビール酵母菌の現状を説明し、自然発酵のビールを発売して頂けるようお願いしました。丹羽さんはこれまでの経験を生かし、自然発酵ビールの完成を目指しました。
 昨年8月、ようやく試作品が完成したと連絡があったので、すぐに博石館に行って試飲してみました。自然発酵ビールは麦のジュースのような、ワインのような独特のおいしさがあり驚きました。何回か試作を繰り返し、昨年10月「自然麦酒」が発売されました。おそらく日本では始めての自然発酵ビールでしょう。
 現在使用している大麦とホップは市販のものですが、無農薬の原材料のビールも検討しています。
4、天然の岩清水を無処理で利用
 御影石の産地でもある蛭川村は、地下水に恵まれた地域でもあり、ビールの醸造を始めるきっかけとなりました。御影石の岩盤からしみ出した天然の岩清水を、そのまま無処理でビール造りの仕込みとして利用しています。
 「天然水使用」と宣伝しているビールはよくありますが、水は天然水でも塩素消毒したり、加熱処理などしているものもあります。
 通常、空気中に生息している天然ビール酵母菌で自然発酵すると、酵母菌と一緒に乳酸菌も活発に培養され、酸味の強いビールになってしまいます。
 そこで、ビール酵母菌を採取する際、どのような場所・時期・気温・湿度が適した環境なのかを、何度も試行錯誤を繰り返しながら追求していきました。
 その結果、適度な乳酸菌と共存しながら酵母菌が働き、酸味の少ない旨みのある味わいに仕上げることが出来ました。
5、ワインのようにビン内熟成
 ビン詰めの際、加熱処理をしていないため、ビン内熟成しています。そのためワインやウイスキーのように、時間が経つほどおいしくなるのです。賞味期限は製造後6ヶ月となっていますが、1年経ってもおいしく飲めるでしょう。
 天然醸造のため造る時期により、また、1本1本も多少味が違うこともありますが、それは自然の証でしょう。恵那の緑豊な自然の中で育った天然酵母ビールを味わってください。


問い合わせ先
博石館ビール
 担当:丹羽 智
〒509-8313 岐阜県恵那郡蛭川村5251−1
電話:0573-45-2110 FAX:0573-45-3303

注文内容 本数 価格
自然麦酒 1ケース 630円×6本 3780円
(送料別・消費税別)

小売店用の詳細は電話などでご確認下さい。送料 800円(4ケースまで)

支払い方法
郵便振替(振り込み手数料お客様負担とさせていただきます)
代引き(別途200円手数料必要)
銀行振込(振り込み手数料お客様負担とさせていただきます)

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