丸中醤油の天然麹醤油

１、醤油麹菌と味噌麹菌の違い
　福井のマルカワみその河崎宏社長さんと河崎宇右衛門会長さんが、天然味噌麹菌の種麹造りに励んでいた平成１３年の７月、滋賀県の丸中醤油に見学に行きました。
　中居真和社長さんとお姉さんで販売促進業務をされている岡部敦子さんに市販の純粋培養された麹菌の内容と、マルカワみそさんの取組みを紹介し、天然の麹菌で醤油を造って頂きたいとお願いしました。
　マルカワみそさんは会長の河崎宇右衛門さんが４０年前まで実際に天然の種麹を造っておられた経験があり、それを基盤として造り始めていました。
　ところが丸中醤油では、以前に天然の醤油麹菌を使って醤油を造っていた当時の人達は、残念ながらもう誰も存命しておらず、資料も残っていませんでした。
　そこで、マルカワみそさんの天然種麹を使っても出来るのではないか、味噌と醤油の違いはあっても同じ麹菌であれば出来るのではないかと、考えました。
　しかし、味噌麹菌と醤油麹菌とではおそらく働きが違うだろうと言うことで、断念しました。
　天然の醤油麹を造ったことのある人がおらず、資料もなければ確かに難しい挑戦です。社長の中居さんは、昔の天然の醤油麹造りを独学で学び、昨年１０月試行錯誤しながら挑戦しました。難しいと思った天然の醤油麹造りが、思っていたより順調に出来ました。
２、総業２００年の醤油蔵の威力
　順調に天然の醤油麹が出来たのは、総業２００年にもなる醤油蔵が健在だったからです。昔ながらの自然の麹菌が脈々と蔵の中で受け継がれてきていたので、純粋培養の麹菌を使わなくても、天然の醤油麹が出来たのです。まさに総業２００年の醤油蔵の威力です。
　最近の醤油メーカーは、近代化されてしまい、工場もタンクも天然の麹菌が生息しにくい環境です。このような工場では天然の種麹造りなど不可能でしょう。
　蔵のみならず、杉樽も１００年以上使い続けており、仕込んだ後熟成している間も杉樽に長年住み続けている麹菌や酵母菌、乳酸菌などの微生物が活発に働き、醤油の味が醸し出されてゆくのです。
３、天然麹醤油の出荷は１、２年先
　平成１３年１０月、石川県産の無農薬大豆と無農薬小麦、中国内モンゴル産の自然湖塩、無処理の鈴鹿山脈の伏流水、そして天然醤油麹菌で仕込みました。
　丸中醤油では、熱を加えず自然に発酵をまかせた天然古式醸造で、通常３年熟成させて出荷しています。市販の醤油は加温して６ヶ月前後で作る速醸法がほとんどです。例え有機認証の醤油でも速醸法の醤油があります。
　また、長期熟成の醤油と言っても１年半から２年です。ここ滋賀県の秦荘町は、鈴鹿山脈の麓で冬はかなり冷えこみます。このような環境のため、２年熟成でもある程度美味しい醤油にはなりますが、蔵人さん達は、３年熟成してこそ納得のいく美味しい醤油が出来ると確信しています。
　醤油もろみは麹菌、酵母菌、乳酸菌がそれぞれ独自の働きをし、春夏秋冬と四季折々違った表情を見せます。
　定期的にかくはん作業をしますが、これは杉樽のもろみのなかに長い櫂を入れ、空気を送り込んだりもろみの状態を落ち着かせたりします。このかくはん作業は夏は４日に一度、冬は約２０日に一度します。杉樽はたくさんあり、もろみの状態も一つ一つ違うので、気の抜けない大変重労働な作業です。
　蔵人さん達が作業する時は、もろみに「今日はどんな様子かな」と語りかけながら良いもろみに仕上がってもらえるよう丹念に心を込めてかくはんしています。
　天然麹菌では２年で出荷できるか３年経たなければ出荷できないかは、１年後の平成１５年１０月頃に判断します。もし、美味しく仕上がり、２年で出荷できたとしても一部を出荷し、残りはもう１年熟成させ、３年熟成で出荷する予定です。
４、手造り醤油麹「蔵つぼみ」を販売
　　手造り天然醤油を造ってみませんか？手造り味噌は造られた方もあるでしょうが、手造り醤油を造ったことのある人は、少ないと思います。手造り醤油といっても、大豆と小麦で、醤油麹を家庭で造ることは大変難しいことです。そこで天然醤油麹に自然湖塩を配合した塩止め天然醤油麹「蔵つぼみ」を限定発売しました。
　原材料は、中国内モンゴル産の無農薬大豆、北海道産と千葉県産の無農薬小麦、中国内モンゴル産の自然湖塩、そして天然醤油麹菌です。
　造り方は「蔵つぼみ」を容器に入れ水を加えて、あとは定期的にかき混ぜるだけです。少なくとも１年以上熟成させなければ醤油にはなりませんが「もろみ」としては、約３ヶ月で食べられるようになります。きゅうりにもろにをつけた、いわゆる「もろきゅう」はほとんどがもろみではなく、味噌で代用しています。本物のもろきゅうは格別の味がします。

問い合わせ先

販売元
ナチュラルハーモニー
〒158-0092　東京都世田谷区野毛３−２０−１６
電話：03-3703-0091　FAX：03-3703-1213


製造元
丸中醤油��　担当：中居真和
〒529-1233滋賀県愛知郡秦荘町東出229
電話0749-37-2719
FAX　0749-37-4363

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