木戸泉と寺田本家の天然酒

1、天然酒は1本もなかった
 日本酒は米を精白し、蒸し米を作り、種麹菌をつけて米麹を作ります。米麹と蒸し米と水で仕込み、酵母菌をつけて発酵させます。
 現在では、麹菌も酵母菌もほとんどが純粋培養をした菌で作られています。なかには自家酵母を使用している、とうたっている日本酒もありますが、蔵に生息している自家酵母を使っていても純粋培養しているものがほとんどです。
 天然の蔵付き酵母で、しかも天然の種麹菌を使っている日本酒を探しましたが、残念ながら販売されているものとしては、1本もありませんでした。
 以前から、こだわった自然酒を造っている千葉県の寺田本家の寺田啓佐社長さんに麹菌や酵母菌の実態を説明し、天然酒を造っていただきたいとお願いしました。
 寺田さんは経験したことのない仕込みなので不安でしたが、マルカワ味噌の米麹と無農薬米を提供し、地下水を使い、少量の40リットルで仕込みました。
2、天然酒の試作が始まる
  平成14年2月、試作の天然酒の仕込みが始まりました。まず、天然の麹菌が米のデンプンを糖に換える酵素を盛んに出して糖化します。この時、上澄み液を飲むと甘酒の味がしました。
次に乳酸菌が働きだし、糖を乳酸に換えます。乳酸は雑菌の働きを抑え、酵母菌が働きやすい環境を作り出します。この時の上澄み液は甘酸っぱい乳酸飲料の味がしました。
 しかし、寺田さんは純粋培養の酵母を使わず、蔵に自生している蔵付き酵母だけでは発酵してこないかと思い、失敗覚悟で待っていました。
 すると仕込んで3日目に泡が立ち始め、蔵付きの天然酵母が発酵を始めました。寺田さんが思っていた以上に強く発酵してきました。蔵付き酵母の野生の息吹を感じる瞬間でした。この時の味は炭酸がきいた乳酸飲料のサイダーのようでした。
 天然酒本来の味を吟味していただきたいと思い、通常は透明になるまで機械でろ過しますが、粗めのざるでこしただけで火入れをしない生の濁り酒として販売することになりました。酒呑みの人には昔懐かしい、たまらない美味しさになりました。
3、吟醸・大吟醸は美味いか?
 日本酒は、米を削る割合を精米歩合で種別しています。削られた米の玄米に対する割合で、たくさん削るほど精米歩合のパーセントが少なくなります。精米歩合が70%以下を純米酒、60%以下を吟醸酒、50%以下を大吟醸酒といいます。
 日本酒のなかで吟醸酒や大吟醸酒は高級品とされ、もてはやされています。しかし、吟醸酒や大吟醸酒は本当に美味しいのでしょうか?米をたくさん削れば削るほど高級な日本酒と錯覚してはいませんか?
 米をたくさん削って、米のたんぱく質や脂肪をそぎ落とし、雑味を少なくしていますが同時にミネラル分などもそぎ落としてしまい、味に深みがでなくなってしまうように思います。
 米をあまり削らないと確かにわずかな雑味はありますが、それ以上にうま味があることを忘れてはなりません。そこで天然酒は精米歩合を71%以上100%未満(玄米は不可)と限定することにしました。
 出来あがった天然酒は、アルコール度数が約15%でした。飲んでみるとアルコールを感じるだけでなく、うま味が強く感じられました。通常、日本酒のアミノ酸度は1〜2ですが、8前後もあり、うま味のある天然酒であることに納得しました。
 3月頃まで何回か試作を繰り返し、なんとか商品化のめどがついたころ、千葉県大原町の木戸泉の庄司文雄社長さんに天然酒の試作をお願いしたところ、見事に成功し、販売していただけるようになりました。
 木戸泉と寺田本家では、同じような造り方でも原料と酒蔵が違うためか、お互いに個性のある味わいに仕上りました。
 菌匠造りの天然酒は@原材料が米・米麹・水だけA醸造用アルコールは一切使用しないB米・米麹の米の精米歩合が71%以上100%未満(玄米は不可)。この3つの条件を追加したものです。
 これから寒くなり、鍋が美味しくなる季節です。ここで天然酒を使った木戸泉鍋を紹介します。これは木戸泉の先代の社長が考案した鍋料理です。
 鍋に天然酒と水を同量にして入れます。沸騰し始めたら豚肉、白菜を入れます。野菜は白菜のみで他の野菜は一切入れません。豚肉のうま味と白菜の甘味、そして天然酒のうま味がよく調和した美味しい鍋です。是非一度試してみてください。
 菌匠造りの天然酒とは、「菌匠造り」の5つの条件に加えて、@原材料が米・米麹・水だけA醸造用アルコールは一切使用しないB米・米麹の米の精白度が71%以上100%未満(玄米は不可)。この3つの条件を追加したものです。
 日本酒のなかで吟醸酒や大吟醸酒は高級品とされ、もてはやされています。しかし、吟醸酒や大吟醸酒は本当においしいでしょうか?米を高度に精白した日本酒が高級品と錯覚してはいませんか?高度に精白して米のたんぱく質や脂肪をそぎ落とし、雑味を少なくしていますが同時にミネラル分もそぎ落としてしまい、味に深みがでなくなっているように思います。精白度が低いと雑味が残るといわれています。確かにわずかな雑味はありますが、それ以上にうまみがあることを忘れてはいないでしょうか?そこで菌匠仕込みは精白度を71%以上100%未満(玄米は不可)と、低めに限定しました。
 平成14年5月製造の木戸泉天然酒の原材料は、掛米と麹米が岩手県の阿部さんの無農薬無肥料自然米、種麹が福井県のマルカワみその天然種麹、仕込み水が地下水です。精米度は約91%です。
 平成14年5月製造の寺田本家の天然酒の原材料は、掛米と麹米が広島県産の有機米、種麹が福井県のマルカワみその天然種麹、仕込み水が地下水です。精米度は約91%です。
 通常の日本酒は、割水をしてアルコール度を調節しますが、この天然酒は割水をしていない原酒です。お好みで割水して味を調節してください。


問い合わせ先
木戸泉 担当:稲見
〒298-0004 千葉県夷隅郡大原町大原7635−1
電話:0470−62−0013
FAX:0470−62−3300

小売店用の詳細は電話などでご確認下さい。

商品名 注文数 値段
木戸泉の天然酒 1ケース 1600円×3本 4800円
(送料込・消費税別)

支払い方法 代引き


問い合わせ先
寺田本家 担当:寺田啓佐
〒289-0221 千葉県香取郡神崎町神崎本宿1964
電話:0478−72−2221
FAX:0478−72−3828

小売店用の詳細は電話などでご確認下さい。

商品名 注文数 値段
寺田本家の天然酒 1ケース 1600円×3本 4800円
(送料込・消費税別)

支払い方法 代引き

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